今日は『加齢と自律神経』について書いていきます。
青年期を過ぎると年を取るごとに新陳代謝や運動機能が衰えていくことは、
皆さんご存知だと思いますが、脳の細胞も少しづつ減少していきますし、
自律神経も衰えていきます。
神経は電線のように1本で繋がっているわけではなく、点線のように隙間があいて
いて、その間を『神経伝達物質』という物質が脳からの指令を伝達していきます。
この『神経伝達物質』も加齢とともに減少していきますので、当然神経伝達が
鈍くなり、自律神経も衰えていくと言うわけです。
老化によって自律神経が衰えてきたことが一番良く分かるのは、運動後の
動悸と息切れです。
年を取ってくると、少し運動をしただけで動悸が激しくなり息切れが収まる
までに時間がかかるようになります。
若い頃はすぐに、動悸や息切れが収まったのは、身体機能の若さもあり
ますが、若い時のほうが自律神経も活発で、一度運動によって交感神経
が活発化されても、運動後にはすぐに副交感神経が活発に働き、心拍を
正常に戻そうとしてくれるからなのです。
また、若い頃は寝つきもよく夜中に目が覚めることも無かった方が、中年
を過ぎたあたりから、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりするのは、
自律神経が衰えて、睡眠を司る副交感神経の働きが活発ではなくなり、
また、神経伝達物質も減少してきているので、寝つきが悪くなったり、
深い睡眠がとれなくなってしまうのです。
脳細胞の減少も、神経伝達物質の減少も日頃の生活習慣や食習慣により
スピードを遅くすることはできます。
以前も書きましたが、若いうちから規則正しい生活が好ましいのは、脳細胞
の為にもそうですが、自律神経に負担をかけない為にも若いときから、
規則正しい生活をしておいたほうが、衰えるスピードを抑えることができます。
老化は身体機能全てが衰えて行きますので、自律神経活動もそれにともなう
ホルモンの分泌も若いころとは変わってきます。それがいわゆる更年期です。
次回は『自律神経とホルモン』について書いていきたいと思います。